一日1万歩を超えていれば、十分に体を動かせている。
歩数だけを見れば、そう思うかもしれません。
私のOura Ringには、どちらも平均歩数が1万歩を超えていた、生活環境の異なる2つの時期が残っています。
一つは、在宅勤務をしながら定期的に有酸素運動をしていた時期。
もう一つは、仕事に追われて運動ができなくなったものの、毎日の通勤によって歩数が増えていた時期です。
歩数が多かったのは、意外にも運動ができなかった時期でした。
しかし、睡眠時間や運動の強度、回復に関する数値まで見ると、同じ1万歩でも体の状態は違っていました。
結論|1万歩を超えても、疲れが抜けるとは限らなかった
今回の比較から分かったことは、歩数だけでは、その生活が体にどのような負担をかけていたのかまでは分からないということです。
同じ1万歩でも、その中身には違いがありました。
- 自分から楽しんで体を動かした1万歩
- 仕事へ行くために疲れた状態で歩いた1万歩
歩数は、どれだけ移動したかを教えてくれます。
しかし、歩いたあとに気分が軽くなったのか、さらに疲れたのか。きちんと眠れていたのか。翌日に疲れを残していなかったのか。
そこまでは、歩数だけでは分かりません。
ここからは数年分のデータを振り返ります
これまでこのブログでは、一日や一週間のデータと、そのときの体感を照らし合わせてきました。
ここからは時間の幅を広げ、数年分のOuraデータを生活の変化と重ねて見ていきます。
運動習慣があったころ、仕事に追われていたころ、生活を立て直し始めたころ。
短期間の記録では気づけなかった変化を、長い流れの中から確かめていきます。
今回はその最初として、歩数が同じくらいだった2つの生活を比較します。
Oura Ringを長期間使って感じたメリットとデメリットは、こちらの記事にまとめています。

比較した2つの生活
在宅勤務でも運動習慣があった時期
一つ目は、在宅勤務をしていた時期です。
通勤がなく、外出もそれほど多くありませんでした。
その代わり、自分で時間をつくり、定期的に有酸素運動をしていました。
運動すること自体が好きで、体を動かす時間は気分転換にもなっていました。
通勤していたものの運動ができなかった時期
もう一つは、仕事が忙しくなり、運動を続けられなくなった時期です。
仕事へ行くために、駅まで歩き、電車を乗り換え、駅から職場までさらに歩いていました。
毎日出社していたため、運動をしていなくても歩数は増えていきます。
一方で、強いストレスや疲労、睡眠不足が続いていました。
仕事が始まれば、疲れていても頭をフル回転させなければなりません。
帰宅するころには、その日を終えるだけで精いっぱいでした。
仕事が忙しくて運動する時間を失い、やがて大好きだった運動に気持ちを向ける余裕も、体を動かす体力もなくなっていました。
数年分の平均を比べた結果
2つの時期の平均を比べると、次のようになりました。
| 指標 | 運動習慣があった時期 | 仕事に追われていた時期 |
|---|---|---|
| 平均歩数 | 約11,000歩 | 約11,300歩 |
| 高強度活動時間 | 約29分 | 約17分 |
| 平均睡眠時間 | 約6時間40分 | 約6時間20分 |
| 平均HRV | 約57ms | 約52ms |
| 平均安静時心拍数 | 約51bpm | 約53bpm |
歩数だけを見ると、仕事に追われていた時期のほうが約300歩多くなっています。
一方、しっかり体を動かしていた時間(Ouraの「高強度活動時間」)は、約12分少なくなっていました。
睡眠時間も約20分短くなり、回復状態を見る参考にしているHRVと安静時心拍数にも違いがありました。
簡単にいうと、私はHRVが自分の普段より高く、安静時心拍数が低いときは、体が回復できていると捉えています。
反対に、HRVが低く、安静時心拍数が高いときは、疲労やストレスの影響が残っている可能性を考えます。
今回のデータでは、仕事に追われていた時期が後者でした。
歩数は増えていても、体には回復する余裕が少なかったことが、数字にも表れていました。
詳しい見方はこちらの記事にまとめています。

歩数が増えたのは、運動したからではなかった
運動習慣があった時期は、在宅勤務だったため、運動以外で歩数を増やす機会は多くありませんでした。
一方、仕事に追われていた時期は、毎日の通勤だけでかなりの歩数になります。
Ouraに記録される歩数には、歩いた理由までは残りません。
気分転換のために自分から歩いた一歩も、疲れた状態で職場へ向かうために歩いた一歩も、数字の上では同じ一歩です。
しかし、私の体感はまったく違いました。
有酸素運動をしていたころは、体を動かしたあとに気持ちが切り替わり、また次もやりたいと思えました。
仕事に追われていたころは、通勤で体力を使った先に、強い緊張と疲労が待っていました。
歩数が多いからといって、体に余裕があったわけではありません。
「1万歩歩いた」だけでは分からないこと
歩数は、毎日の活動量を知るための分かりやすい数字です。
目標にもなり、以前より動けているかを確認する助けにもなります。
ただし、歩数目標を達成しているのに疲れが抜けないときは、歩数以外にも目を向ける必要があります。
私が一緒に振り返りたいと思ったのは、次のようなことです。
- その歩数は、どのような生活の中で増えたのか
- 歩いたあと、気分や体が軽くなったか
- 疲労を残したまま、必要に迫られて歩いていなかったか
- 眠る時間や休む時間を確保できていたか
- 好きな運動をする気力まで失っていなかったか
1万歩を超えていても、疲れが抜けない、睡眠時間が減っている、好きなことをする余力がない。
そのような状態なら、さらに歩数を増やすことより、生活のどこで体力を使い、どこで回復できているのかを振り返るほうが大切かもしれません。
この比較だけで原因は決められない
今回の結果だけで、有酸素運動をやめたことが数値の変化を引き起こしたとは言えません。
通勤、仕事の忙しさ、強いストレス、睡眠不足など、複数の生活条件が同じ時期に変わっているからです。
分かったのは、歩数が同じくらいでも、生活全体と体の状態まで同じになるわけではなかったということです。
まとめ|見るべきだったのは歩数の先だった
今回、生活環境の異なる2つの時期を比べて、次のことが分かりました。
- 運動ができなかった時期のほうが平均歩数は多かった
- 歩数が増えた主な理由は、毎日の通勤だった
- 一方で、高強度活動時間と睡眠時間は減っていた
- 回復に関する数値は、運動習慣があった時期のほうが、体に余裕のある状態を示していた
- 同じ1万歩でも、好きな運動と疲れた状態でこなす移動では体感が違った
歩数は、「今日は何歩動いたか」を教えてくれます。
けれど、本当に知りたかったのは、目標の数字を達成したかどうかではありませんでした。
その生活の中に、体が回復できる余地が残っていたのか。
歩数を見るときは、数字だけで判断せず、歩いた理由、歩いたあとの体感、睡眠や疲労も一緒に振り返る。
それが、今回の長期データから私が得た一番大きな気づきです。
次回は、仕事に追われていた時期の平日と週末を分け、「週末に長く眠れば疲れは取り戻せていたのか」を見ていきます。
